R不動産の若手がこれからの暮らしを考えるシリーズ企画。今回はちょっと気になる工務店との出会いがありました。建物もすてきだけど、それだけじゃない。家もまちも楽しくする活動が気になって、会いに行ってみることに。
発見! 私たちが住みたい家
ある日、ひとりのスタッフが1件の戸建て物件の情報を持ってきた。
「この家、なんかいいよね!」
質感の良い木材を使用し、デザインも量産型ではない、シンプルだけどつくり込まれた内装。素直に住みたいと思える物件だった。それでいて納得感のある価格。都心部からはちょっと離れているけれど、その分緑地や自然も近くなりそう。なんだかグッとくる物件に手が届きそうな気配がする。
さらに調べていくと、どうやらこの物件をつくっている工務店は「家を建てる」以外にも、さまざまな取り組みをしているらしく……、これからの暮らしのヒントがありそうな予感。
思いきって会いに行ってみることにした。
その名は「相羽建設」
建物をつくった工務店は、相羽建設。「よかったらモデルハウスに来てください」と言われて訪れたのは、西武線の東村山駅。正直、降りたことがない駅だ。
駅からしばらく歩くと、なにやら屋台が並んでいる一角が。なんだか想像していたモデルハウスと違う。これはいったい……?
「つむじ」と呼ばれているその場所には、モデルハウス2棟と、離れや宙に浮いた箱のようなミニハウス(?)が2棟。ゆったりとした敷地は造園されていて、ちょっとした公園のようだ。
ちょうどその日は月に一度の「つむじ市」の日。〈地域・食・手しごと〉をキーワードに、近隣農家の新鮮野菜や、周辺で活動する作家の作品などを販売するマルシェだそう。普段はワークショップなども開催され、地域の人々の交流の場になっているらしい。
ちなみにここで使われている販売用の屋台や無人販売所なんかも相羽建設がつくる商品だ。無人販売所は、近隣の農家などで販売スペースとして活躍しているようだ。
いわゆる工務店のイメージとはちょっと違うが、本業は主に多摩地域で活動を展開する建設会社。住宅の設計や施工のほか、分譲戸建ての企画・販売、リノベーションの施工など、つくる・建てる・売るに対応するオールラウンダーだ。
せっかくなのでモデルハウスにもお邪魔してみる。
「うおー!この家欲しいなあ!」
内装は住み続けることで味わいが出る無垢材のフローリングや、補修・メンテナンスができる左官壁や塗装の壁。ちゃんとした素材を使いつつ、シンプルで飽きがこない印象を受ける。しかも耐震強度や断熱など、性能面でもよく考えられているので、永く住むことが具体的にイメージできた。これこれ、この感じが欲しかった!
これまで建て売りの物件だと、どうしても大切に住み続けるイメージが湧かなかった。ピカピカのフローリングに〇〇風の壁紙の内装などは、時間が経つと劣化が避けられないからだ。
家づくりへのこだわりはまだまだたくさんありそう。さらには家そのものの設計だけでなく、家に関わる環境までフォロー。造園の相談や、家具のイベントなんかも開催しているようで、他にも活動していそうな気配……。工務店という枠に収まらないこの感じ、なんだか気になる!
家もまちも楽しく
話を聞いてみると、建物にこだわるだけでなく、その周辺を取り巻くまち、仕事、人との関わりまで大事にしようとしているようだ。つまり家に関わる全ての環境をひっくるめて、暮らしを支えることが「家づくり」と考えている人たちなのだ。
こういう「家づくり」は都心で叶えるのがなかなか難しく、地域に根ざしているからこその取り組みでもある。こだわりをもった家を建てるには予算が必要だし、のびのび遊べる空間のゆとりや自然環境も限られてしまう。この場所が拠点だからこそチャレンジできることだったりする。
堅実な家づくりをしながらも、家もまちも楽しくしようという遊び心のある工務店。自分の住むまちに、こんなプレイヤーがいたら心強い。
私たちは愛着をもって永く建物を使うことに魅力を感じてきた。レトロで趣のあるマンションやビルの再利用、古い戸建てのリノベーションはそのひとつ。だけどこれから先、永く愛着を育てるための家を建てる・造るという選択に手が届くのであれば、それって結構アリなんじゃないか?!
もしかしたら私たちが知らなかっただけで、この相羽建設のように東京の色々な場所で素敵な暮らしを実現しようとしている人たちがいるのかもしれない。なんだかワクワクしてきた。
この人たちの建てる家のこだわりは? これからどんな未来を想像しているんだろう? もっと詳しく知りたい! 相羽建設の活動について、もう少しみてみようと思います。次はモデルルームで感じた家づくりのこだわりについてお伝えします!