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2016.9.20

10/3トークイベント開催! 「これからの都市の使い方」

馬場正尊(東京R不動産/Open A)、千葉敬介(東京R不動産)
 

R不動産の馬場正尊と、首都大学東京の饗庭 伸さんによるトークイベント。人口減少社会に直面する日本の都市に、明るく豊かな未来を描く饗庭さんと共に、衰退の先にある「ポジティブでポップな世界」を探します。きっと全ての人に新鮮で、身近に感じられる内容になると思いますので、お時間あればぜひ。

※定員に達したため募集を締め切りました。ご応募ありがとうございました。


『エリアリノベーション:変化の構造とローカライズ』より。西の門市(長野市善光寺門前)
衰退をポジティブにポップに描いた、初めての論述

地方や郊外の衰退を予測し、それを警告する本はたくさん出版されている。『都市をたたむ』というタイトルを最初に見たとき、この本もその中のひとつだと思った。しかし読み始めると、それは徐々に裏切られていくことになる。

この本を通して饗庭 伸(あいば しん)さんが描く衰退の先の風景は悲しいものでも、寂しいものでもない。やってくる状況を素直に受け入れて、その上で状況をどう楽しむかが、ここには淡々と描かれている。そして、どこかユーモアすら漂っているのだ。文体がそうさせているのかもしれないが、このセンスこそが大切だと改めて気付かされた。

饗庭さんとは、不思議な縁がある。同じ大学の出身というだけでなく、山形県鶴岡市では、偶然にもほぼ同じエリアの再生に関わっていたり、東京郊外の鶴川団地で、一緒に団地再生のプロジェクトをやることになったり。

そこで会話を交わす事はあったのだが、突っ込んでお互いの価値観や、思い描く世界については話してこなかった。これを機会に、衰退の先にあるポジティブでポップな世界を、一緒に描けたらと思っている。 ―馬場正尊―


(左)『都市をたたむ 人口減少時代をデザインする都市計画』、(右)『エリアリノベーション:変化の構造とローカライズ』)
身近な空間を豊かに使う「スポンジ化」

東京R不動産のディレクター馬場正尊と、首都大学東京准教授 饗庭 伸さんがトークイベントを行います。

人口減少社会に直面している日本の都市。
そこに豊かさと新しい可能性を見出し、それを楽しむ方法を説くのが、2015年に饗庭さんが出した『都市をたたむ 人口減少時代をデザインする都市計画』です。

都市というと大きすぎて自分とは遠い存在に感じてしまうところ。でも、饗庭さんが見つけた豊かさの芽は、手が届く身近な空間の中に、小さくて多様な用途が混在するという、楽しく豊かな空間の姿です。


饗庭さんが東京で手掛けた空き家活用プロジェクト。設計:WAKUWORKS

「スポンジ化」というのが、縮小する都市を読み解くキーワードだと、饗庭さんは語ります。つまり都市の縮小は、外側から見た大きさが縮むのではなくて、その内側で、空き家や使われない土地が、それぞれの持ち主の事情によって、ランダムに発生するということ。まるでスポンジのように、たくさんの小さな穴ができていく状態です。

そんな穴のたくさん空いた空間をうまく使っていくことによって、日常の身近な範囲の中で豊かさを手に入れることができる、というのが、この本の考え方。

「例えば郊外の住宅地に住む人が、少し早起きして近隣の畑で農業を行い、シャワーを浴びてから近所のオフィスで働き、夜は自宅の隣にある小さなレストランで食事をする」。そんなふうに都市に空いた小さな穴のひとつひとつが、自分の暮らしに色を添えたり、周りの人たちと何かを共有したりする場として使われていく。それがこの本で描かれている未来像です。

つまり、誰かが大きな計画を描き、巨額の資金を投じるのではなく、一人ひとりが自分や周りの人たちのために小さな穴を使っていくことで、都市が生かされていくということ。

そう考えると、その小さな穴で自分は何をしようかと、ワクワクした気持ちになってくるし、穴の数だけ可能性があるのだという気がしてきます。


スポンジ化のイメージ。自然、農業、工業、住宅、商業、どの要素もスポンジの穴に入る可能性がある
二人の視線が重なる先に描く、豊かな未来

都市を研究する専門家として上空から見渡すように、人口や経済、都市計画や法制度などを読み解きつつ、同時に身近な空間の変化を観察しながら、その先に未来を描く饗庭さん。

一方、馬場はリノベーションを切り口とした活動の中で、すでにある空間を再生するという手法が、そのまま都市にも援用できるのではないかと気付きます。

2011年に出した著書『都市をリノベーション』で掲げた三つのキーワード。その第1番目として「すでにある都市を使う」と宣言をしているところには、軽く奇跡を感じてしまうほど。

それを皮切りに、『RePUBLIC 公共空間のリノベーション』、『PUBLIC DESIGN 新しい公共空間のつくりかた』では、身近な公共空間や、公共性の新しいあり方を探ります。

そして最新の著書『エリアリノベーション:変化の構造とローカライズ』では、都市の中で点のリノベーションとして始まった活動が、地域に広がり、それを変えていく仕組みを、全国の事例から解き明かすのです。

饗庭さんが一冊の本で、軽やかに、かつロジカルに描いた日本の未来像。空から見渡すための翼を持たない馬場が、全国を駆け回って出会った無数の事例の中に共通の気配を感じ取り、想像の力を借りて数冊の著書で描いてきた未来像。それらがかなり近いというところには、身内ながら驚かされます。

そんな二人がお互いの視点から語り合う、「ポジティブでポップな世界」を、今回のトークイベントでは楽しんでいただけたらと思っています。


『エリアリノベーション:変化の構造とローカライズ』より。OPENMARKET(長野市善光寺門前)

各書籍のご購入はこちら。(amazonへのリンク)
『都市をたたむ 人口減少時代をデザインする都市計画』
『エリアリノベーション:変化の構造とローカライズ』

「これからの都市の使い方」
~「エリアリノベーションする人」馬場正尊と「都市をたたむ人」饗庭伸~
※定員に達したため募集を締め切りました。ご応募ありがとうございました。

日時:2016年10月3日(月) 19:00~20:30(18:30開場)
会場:二子玉川 蔦屋家電 2F ダイニング
住所:東京都世田谷区玉川1-14-1 二子玉川ライズ S.C. テラスマーケット(地図
定員:50名
電話:03-5491-8550(二子玉川 蔦屋家電 2F BOOK)

イベント参加方法:
上のイベントHP、もしくは店頭(2F リボンストリート側BOOKレジカウンター)で以下の1~3のいずれかをお求めください。
1. 書籍+イベントチケット
 『エリアリノベーション:変化の構造とローカライズ』 2,376円
2. 書籍+イベントチケット
 『都市をたたむ 人口減少時代をデザインする都市計画』 1,836円
3. イベントチケットのみ 1,500円
※全て税込金額です。

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