「わかってる」部屋

築年数のある大きなマンションの一室をまるごと改装。約33畳の広々としたワンルームは、細かな間仕切りをなくし、玄関から奥の窓辺まで視線がすっと抜けていく、開放的な構成です。

ひとりで、あるいはふたりで、気負わずに過ごしたい方には、ちょうどいいサイズ。前の入居者さんも、単身でのんびりと暮らしていたことでしょう。

ファミリー向け物件が多いエリアにしては、この面積で間取りがワンルームというのは少し異色の存在。実際、家族で暮らすにはやや使いづらさを感じるかもしれません。開放感がある反面、家族の音や気配がダイレクトに伝わる構成は、ときに落ち着かない場面もありそう。ひとり、ふたり、お子さんが小さい時期までが現実的なお部屋というのはしっかりチェックしてほしいポイントです。

その前提でお部屋を見ていきましょう。

まず、天高は約2.6m。開放的なワンルームの構成と相まって、同程度の面積の部屋よりも、やや広く感じられます。床は無垢チーク材とモルタル仕上げで、温かみと落ち着きのある、上質な雰囲気。

玄関に入ると、すぐ右手にベッドとデスクのスペース。ベッドは背の低い棚でゆるやかに区切られ、その隣にデスクが並びます。閉じすぎず、開きすぎず、ちょうどいい開放感。

玄関左手には、スクエア型の白いシンク。丸みのある蛇口との組み合わせがなんとも可愛らしい。普段の手洗いや軽い水仕事にも便利な存在です。

キッチンはアイランド型。カウンターとグラスホルダー付きの吊り棚が、ちょっとしたカフェのよう。カウンター奥には調理台やシンクもあり、友人を招いて一緒に料理を作ることもできそうです。カウンターを囲んで、ホームパーティのような時間を楽しむのもよさそうです。

バスルームには浴槽がなく、シャワーのみ。少し物足りなさを感じるかもしれませんが、お風呂をサッと済ませたいタイプの人には向いてそうです。

窓は二重サッシになっていて、外気の影響を受けにくく、断熱・防音効果に加え、電気代の節約にもひと役買ってくれそうです。

空間全体に目を向けると、床や壁の素材感、金物の選び方、照明の高さまで、設計者の細やかな配慮が感じられます。

ペットの飼育も可能で（細則あり）、小型犬や猫などと暮らせるのもうれしいところ。駐車場・バイク置き場・駐輪場があり、うち駐車場と駐輪場には空きがあります（空き状況はよう確認です）。平置きタイプの駐車場で、使い勝手も良好です。

さらに、建物内にはトランクルームもあり。荷物の保管に困ったときの頼れる味方です。

ちなみに、最寄り駅はJR常磐線の亀有駅。徒歩12分ほどですが、千代田線に直通しているので、通勤や外出には意外と便利な路線です。

駅の北口・南口には、個人経営の飲食店や八百屋、ベーカリーなどが点在。大型ショッピングモール「アリオ亀有」やイトーヨーカドーもそろっていて、日々の買い物にも困りません。少し歩けば、昭和の面影が残る商店街もあります。

マンションは中川に面していて、ランナーや犬の散歩をする人が行き交っています。空が開けているので、静かでふっと気持ちがゆるむような場所です。

そんな暮らしの気持ちよさを、次の住まい手にも引き継いでいただけたら嬉しいです。

※写真は居住中のものです。家具は付属しません。