桜並木のかたわらで

桜並木の緑道沿いに立つ建物を、一棟丸ごとリノベーション。天井高が最大約3.7mの、質良く気持ちのいい空間が出来上がりました。

ご紹介するのは2階部分。住居や事務所、アトリエなどで使用可能です。

天井を抜いて出てきたのは黒い鉄の骨組み。天井の高いがらんどうの空間に、三角形の鉄骨が何本も交差しながら走っているのが印象的です。

この骨組みに植物や照明など引っ掛けたりして楽しんでもらえたらいいな、なんて思います。思いがけない使い方も発見できるかもしれません。

内装について、床は木のフローリング。一段上がったキッチン前のスペースと、玄関からのアプローチには、無地でダークグレーのモルタル調タイルが使われています。

壁と天井はラーチ合板でざっくり仕上げました。合板部分は釘打ちや棚の取り付けが可能（塗装は原則NG）、パテ埋めで修繕できる範囲であればその部分の原状回復は免除になります。

キッチンはグループサイト「toolbox」の木製ミニマルキッチン、スイッチはアメリカンスイッチと、細部までこだわりました。

キッチン以外の水まわりは1カ所にまとめてあり、まるで広い空間の中に木のハコが置かれているような形に。

サッシは既存を生かし、緑道側のくもりガラスのみクリアに入れ替えました。窓にうつる緑（桜）や、その間から差す木漏れ日がとても素敵な雰囲気です。

場所は高井戸駅の目の前。それでいて大通りには面していない、隠れ家的な雰囲気があります。

ただ室内から電車の音はそれなりに聞こえるのと、1階がギャラリー・店舗ですので、営業時間中は音楽がかかっています。静かな環境を一番に望んでいる方はご注意ください。

最後にひとつ。写真をご覧になった方は気づいたかもしれませんが、玄関と階段の通路幅がとても狭いです。数字で表すと、だいたい幅57cmくらい。普通に上り下りする際にも、壁に洋服を擦らないかちょっと気になるほどです。

そのため大きな荷物などを担いで2階へ上がるのはちょっと難しそうなつくりです。

特に引越し時の家具搬入。バラせない大きな家具は、搬入できないものが多いかもしれません。特にご注意ください。

それさえクリアできてしまえば、本当に居心地と使い勝手のいい空間です。まだまだ説明が足らないくらいですが、ぜひ現地でお話しできればと思います。


■7月下旬以降入居可能予定

■1階はギャラリー（海外アンティークと国内うつわ作家の作品）になっています。

■写真は全て前回募集時のもの
（外観はライトグレーに塗装されてます）