解体も検討された築古ビルが再生、素敵なお店を呼び寄せる近藤風香(東京R不動産) 築68年が経ち、解体の検討されていた蔵前のビル。「古いから壊すのではなく、古さを武器にしましょう」。これまでのデータや目論見をもとに「ピカピカにしすぎない」リノベーションを行ったところ、古さに惹かれたこだわりのあるお店たちが次々と集まり、ビルは瞬く間に満室となりました。 ![]() 渋いタイルと白い壁のコントラストが印象的な「ウグイスビル」 近頃、気の利いたお店やカフェが続々と集まり注目を集める「蔵前」エリア。そのメインストリート沿いに佇む、「ウグイスビル」をご存じでしょうか。ひとことで言えば、「こだわりを持ったお店が集まっている、趣のあるビル」。 ![]() タイルが落ちてこないよう、ビルにネットを張るほどの痛み具合 しかし「壊してしまうのではなく『古さを生かしたリノベーション』をすれば、その良さがわかる人たちが入ってくれるはず」という東京R不動産のコンサルティングを通じて、大家さんは「このビルを残そう」と決心してくれました。 ![]() 現在はエントランスのテーブルにたくさんのショップカードが並び、訪問者をお出迎え そんな「ウグイスビル再生」に向けて、私たちが提案したポイントをいくつかご紹介します。 (1)「直す古さ」と「残す古さ」の選別 建物の古さは時に武器になります。古いからこそ残すべきものと、直すべきものを正しく選別することが重要です。 ![]() 既存の窓ガラスは半透明。外の雰囲気が見えるよう、透明ガラスにすることに ![]() 長年使い込まれた真鍮にしか出せない味わい (2)いくらかけるべきか 賃貸ビルのリノベーションは、理想の姿を求めてお金をかけすぎてしまうと事業のバランスが崩れてしまいますが、かといって最低限にコストを下げるだけが答えではありません。工事にかけた費用の分だけ賃料が上がっても、それに見合う価値を感じて「ここでお店を始めたい」と思ってくれる方々がいるかどうか、で判断していきます。 (3)「ウグイスビル」のビル名 蔵前の「タイガービル」、馬喰町の「イーグルビル」、浅草の「ライオンビル」といったレトロなビルに並んでここにも動物の名前を付けよう!となり、ビルの前に梅の木があったことから提案した「ウグイスビル」を採用していただきました。縁起が良くて華のある、こぢんまりとしたウグイスの印象が、このビルに入ってくれるお店のイメージにもぴったり重なります。 ![]() 鉄製のエントランスドアも、ウグイス色に塗装 ![]() 真鍮でオーダーメイドしたサインは、主張せずさりげない佇まい (4)「アトリエ店舗」にフォーカスしたテナント募集 ![]() 当時の入居者募集ページ。まだ改修中だったため、どんな物件になるか完全には分からない状態で募集を開始 元々、このビルに入っていたのは主に「事務所」でした。ですが、店舗のニーズも明らかにあること、そしてそれがこのビルと周辺の魅力を上げていくだろうということから、「アトリエ店舗」をタイトルに入れて募集をすることに。 ビルの古さと調和する素敵なお店たち 最初の入居者募集から3年が経とうとしている今、ウグイスビルに入っている素敵なお店やカフェの一例をご紹介します。 103号室 カフェ「喫茶半月」 ![]() 店内に光を取り込む大きな窓は、ビルの外観をより魅力的に ![]() 「ピカピカの物件」では醸し出せない空気感。 柱の腰壁や、天井まで壁一面を覆う棚など、重厚な印象 近くにある大人気店「from a far」とも同じオーナーによる「半月」は、クラシカルな雰囲気もあるカフェ。どっしりとしたカウンターやアンティークの家具が並び、ビルの古き良き雰囲気と調和しています。隣の小区画102号室には、コーヒーのテイクアウトができる焙煎所「半月焙煎研究所」が軒を連ねていますよ。 101号室 古書店「Frobergue(フローベルグ)」 ![]() 店主がヨーロッパで仕入れた洋書が並ぶ店内。 「古さを生かしていてる物件を、1〜2年かけて探していました」と店主 ![]() 古い建物を再活用したウグイスビル自体が、この店の「クラシカルなものを現代的な感覚で再提示する」という方向性にマッチ どこか懐かしさを感じる階段を上って、2階へ... ![]() 時の経過による「味わい」を残しつつリノベーションされた、共用部も見どころ ウグイスビルの階段や廊下は、いい意味で「古びた」空気感があります。外観や居室内がいくらクラシカルでも、手洗い場やトイレがやけにピカピカ...だとなんだか興醒めしてしまいますよね。 203号室 北欧器店「NORR LAND(ノールランド)」 ![]() 50年以上前の器を多く取り扱う店。商品とビルが同程度の歳月を経ており、空間に一体感が ![]() 店主は「壁を真っ白に塗った方が食器が映えるかな」とよぎりつつも、建物の味を残すために思いとどまったそう 201号室 アパレルショップ「genre(ジャンル)」 ![]() 左奥のレジの上は、「見せるストック」。壁を黒に塗装して奥行きを生みつつ、限られたスペースを上手に活用 こちらは、ビル2階の中で最も広い区画。ビンテージの服をメインに扱うアパレルショップです。 古さという魅力を大切に引き継いで ![]() 「このビルはなんだろう?」と入ってみたくなるエントランス ご紹介した他にも、素敵なお店が集まっている蔵前のウグイスビル。 ◆物件オーナーの方へ ●ウグイスビルの紹介動画 ●各ショップのInstagram
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