白寿のビル

時代の流れのなかで、残るべきものが残ったのだと感じさせてくれる建物があります。築100年近く、人の手によって美しく保たれてきた白いビル。控えめで端正なその佇まいは、今もなお見る人の心を静かに惹きつけます。

エントランスには重厚な扉と、古い木のカウンター。建具や手すりには、手をかけながら大切に使われてきた痕跡が滲んでいます。

今回ご紹介するのは、その最上階に位置する角部屋。室内は縦横 約4.8m×約3.8mほどのワンルームで、床面積は約16畳ほど。天井高はおよそ3mとしっかり確保されており、開放感があります。

床と壁は白く塗り替えられ、室内は無駄のないシンプルな雰囲気。縦に2段並んだ大きめの窓から自然光が差し込み、やわらかな明るさに包まれます。比較的どんな業種でもマッチしそうな、ちょうどよいサイズ感です。トイレや流し台は共用部に設けられているため、室内はまるごと作業や展示、執務スペースとして活用できます。

この部屋から望めるのは、すぐそばを流れる川と、その向こう岸に揺れる一本の柳。晴れた日には、水辺をのんびり佇む船の姿も見られます。都心にありながら、こんな風景が身近にある場所はそう多くありません。

もうひとつ、この建物の魅力として欠かせないのが、入居しているテナントの顔ぶれです。品のあるギャラリーや、オーダーメイドのテーラーなど、控えめで上質な空気をまとったお店が集まっています。この場所に拠点を持つことは、重ねられてきた歴史の続きを自分たちが担っていくことでもあるのかもしれません。

注意点としては、初期費用がやや高めに設定されていること。保証金は8ヶ月、管理費もそれなりの金額です。しかし、築100年近い建物をこの状態で美しく安全に保っていくために必要なコストなのかもしれません。

また、入居可能な業種には一定の制限があります。例えば飲食は不可です。「この業態で入れるだろうか？」と少しでも気になる方は、まずは一度ご相談ください。

静かに受け継がれてきたこの空間に、あなたの時間を重ねてみませんか。