昔の空気、今の暮らし

はじめて訪れたとしても、なぜか懐かしい。そんな感覚をこのマンションは不意に呼び起こしてくれます。

全4棟からなるレトロマンション群。今回ご紹介するのはその南東の端、1号棟の角部屋です。

リビングから見える、手に負えるちょうどいい広さの庭。今は光をたっぷり浴びて雑草が伸び切っていますが、少し手をかけるだけで生活に寄り添う素敵な場所に。

室内に入ると、そこにもレトロな空気が漂っています。

くたびれてきて、いい色味に変わった木フローリングの床。覚えていないけれど、昔どこかで見たことがあるような照明。

水まわりはさすがに年月を感じさせるけれど、そこに潔さすらある。”暮らし”が静かに積み重なってきた気配が、確かに残っています。

リビングに隣接する小ぶりな和室は、思わずごろんと横になりたくなるようなスペース。窓を開けて草木のゆれる音を聴きながら横になっていると、気がつけば眠りに落ちているかもしれません。

北側の2つの洋室もまた、決して明るくはないけれど、不思議と居心地がいい。こちらにも緑を感じるからでしょうか。

いわゆる"昔のまま"に近い姿ですが、暮らしづらいということはなく、今の暮らしにもすっとなじみそうです。