取材のつもりが、居心地が良くて、いつの間にか随分といい時間を過ごしてきてしまいました。
今って冬だよね?と一瞬季節まで疑う程の暖かさ。こりゃーいい。まるで暖かい旅先の宿に来たかのような感覚は、ここが東京であることを一瞬忘れさせてしまいます。
緑豊かな周辺環境に恵まれた、足立区の北西部西端に位置するこのエリア。前面の通りからはまるで一棟の建物があるかのごとく配置された、二棟の建築物。
なかなか普通の賃貸住宅では味わえない、つくりがユニークなプロジェクト。
バウビオロギー(建築生物学)の理念に基づいた高性能住宅で、将来のマイホームをイメージするための「これからの注文住宅や、住まいの実験場」というコンセプトを持っています。
この物件の最大の特徴は、高断熱・高気密というパッシブデザインの考え方を徹底した点。バウビオローゲ(建築生物学の専門家)である建築家と、ていねいな仕事で評価の高い工務店がタッグを組み、住む人の健康と環境への配慮を両立させています。
各住戸にはソーラーパネルが備えられ、再生可能エネルギーを活用した暮らしも体験できます。晴れている日の日中であれば、ここから電力を供給する事で環境負荷を軽減し、昨今の値上がりが気になる光熱費も自然と抑えられるという、うれしい効果も。
こちらの2号棟は1、2階合わせて約72.5㎡の2LDKの一棟貸しとなっており、ファミリー向けの間取りです。1階洋室は家具などで2部屋に分けることも可能な間取りになっているのがうれしいところ。2階も間仕切りを極力少なく、開放感を出すために敢えて壁を立てず、欄間のようなデザインでゆるやかに空間をゾーニングしています。
木の味わいを感じる空間は、主張しすぎず、どんな家具を置いてもバチッと雰囲気をつくれる上質なベースという印象。
手入れが大変で汚れやすい部分には壁紙を張っていますが、居住空間の壁面はすべて漆喰仕上げ。調湿、防カビ、消臭効果があり、自然素材で健康的な室内環境をキープ。また独特の風合いで美しい仕上がりも魅力です。
空間の足元を彩るのは、300mm幅にカットしたラワン合板フローリング。大工さんの感性で色味が隣り合わないよう配置された即興的なデザイン。不規則性のある表情が素朴な温かみを感じられるポイント。
この物件のすごいところは沢山あるんですが、都心部から少し外に目を向けてみるだけで、こんな物件に出会えるのが面白いところ。自転車があれば、たくさんの緑がある「舎人公園」へも10分かかりません。
EV、PHEV充電用コンセントが設置済みの敷地内の駐車場。室内同様、ソーラーパネルから電力を供給することができるため、地球にやさしく、家計にうれしい。さらに入居者のみ近隣の半額程度で契約可能。借りなきゃもったいないと思った方、正解です。
日暮里舎人ライナーの個人的に好きなところは、自動運転のため最前列に座れること。隅田川と荒川を越えるポイントは、視界を遮るものがなく、パノラマが楽しめる特等席です。
この空間で紡がれていく時間は、なかなか貴重な体験になると思います。正直、駅からは近くない。でも、伸び伸び暮らす環境として、ここを選んでしまうかも。そんな吸引力すらも感じられて。
注文住宅のように設計されたこの住宅は、「将来の我が家」を具体的にイメージするための絶好の機会。エコロジカルで快適な住空間を実際に暮らしながら体験できる、いわば「これからの住まい」のショールームとしての側面も持ち合わせています。
「住む」ということは「体験する」こと。東京生活に随分馴染んでしまった方にこそ、こんな新しい暮らしのあり方はどうでしょう。良いイメージが浮かんでしまった方は、ぜひ。