素朴さに潜む情緒

「根津美術館」前の通りに沿い、「青山霊園」側に少し行った先。約75年前から南青山にひっそりとたたずむこの建物。コンセプトや技法だけでは創り上げられないような、情緒を持っているような気がしました。

戦後復興から東京オリンピックと、目まぐるしく開発が行われる南青山という土地で、長らく残り続けているという裏側には、この建物そのものの良さと共に、これまで使用してきた人たちとオーナーの丁寧な想いがあったからこそだと思います。

物件の裏側までも想像してしまうほど、素朴なこの建物には魅力が詰まっています。

今回募集となった区画はメゾネット形式の部屋。建物自体は2つの部屋がありますが、それぞれ壁はつながっておらず、外階段で区切られているため、小ぶりな戸建て感覚で使用することが出来ます。

1階はひとつの洋室と階段下に小ぶりなスペースというつくり。床はタイルになっています。エントランスのスペースもゆとりがあり入口扉背後からの緑が来客者をお出迎えしてくれます。

2階は一つのスぺ―スとキッチン、トイレというつくり。「青山霊園」側の壁が一面が窓になっており、緑に包まれ何とも風情のある空間。床のフローリングからも、経年の美しさを感じ取ることが出来ます。


決して”ヴィンテージ”といったような単語一言では表しきれないような、街の歴史と人の想いがこもった空間。
業種は応相談となりますが、事務所としての活用はもちろん、アトリエやショールームとしての活用もできそうです。