馬車道の歴史を紡ぐ

1936年（昭和11年）築。言わずもがな、馬車道の街が変わっていく様子を見てきたであろう建物。

横浜市認定歴史的建造物にも指定されている建物にある、事務所区画の募集です。

幾重にも塗り重ねられた塗装や経年変化した真鍮に歴史を感じるエントランス扉を開け、これまた雰囲気のあるガラス扉を入った奥に、この区画があります。共用部の、今はないタイル素材で作られた壁や床、優しく温かな色味の照明も相まって、タイムスリップしたのかと思うほど。

区画があるのは1階。ただし、いわゆる路面区画ではありません。

間取りはシンプルなワンルームで、トイレと給湯室は共用部にあるため、面積56.97㎡を事務所にフル活用できます。

内装は、壁・天井・建具は塗装、床はOAフロアの上にカーペットが敷かれています。天高は高いところで約3.4mあり、面積以上に広く感じます。

なんと言っても天井が躯体現しで、天井と壁の入隅など細部の仕上げまでこだわって施工されているのがポイント。シンプルなのですが、新築にはない築88年の重みのようなものがあり、自然と背筋がピンと伸びる空間です。

用途は事務所で、店舗では使用できません。事務所兼ショールームはご相談可能ですが、ショールームは予約がある方しか来ず、且つ人の出入りが多くないといった使い方のみとなります。

区画は広いワンルームなので、出入口の近くに打合せスペースを作りたくなりそう。棚などの家具でゆるく分けるのはもちろんOKですが、床から天井までの壁を作るなど、しっかり改装するのは難しいとのこと。

駅の近くですが、建物内は静かで業務が捗りそう。嬉しいのは、屋上を入居者さんに開放しているところ。いくつかベンチもあり、ちょっと一息つきたいときにコーヒー片手に行きたくなる場所です。

他の区画には税理士、建築設計、デザイン、出版など事務所が入居されているのですが、屋上で一息ついてる時にちょっと会話をして顔見知りになることもしばしばあるようです。廊下やエレベーターで会ったときに挨拶されている様子をみて、入居者さん同士の関係もいい距離感だなぁと思いました。

また、地下には入居者さん用の貸会議室と貸ロッカーがあります（料金等は備考欄に記載の通りです）。特に貸会議室は重宝しそう。打合せは基本的に取引先に伺う方であれば、専有部に打合せスペースをわざわざ作らなくても良いかもしれません。

古い建物がどんどん建て替えられていき、こんな建物はもはや見なくなった昨今。これまで紡いできた歴史を引き継ぎ、大事に使っていただけたら嬉しいです。