白いベールを纏った一棟

今も昔もお買い物の街として賑わう代官山。今回はかなりの部分が「すでに仕上がっている」店舗物件のご紹介です。建物は3階建ての1棟ビル。路面の1階はアパレルの店舗やショールームに向いている内装でつくられていて、上階は事務所やバックヤードとして使いやすい内装です。

建物のファサードは、しなやかになびく白い布を表現したデザイン。1階の路面部分はすべてガラスで、お店の中を見ていただきやすい設計です。内装はアパレル店舗を考えたつくり。手前が商品をディスプレイするスペース、奥にはフィッティングが2箇所とお手洗いがあります。

クロムに輝くフレームが入口や什器に使われ、光をきれいに反射して上品な印象。この什器は、フレームにハンガーをかけることもできますし、ガラスの天板が付けられるタイプもあり、そちらは小物のディスプレイにもつかえます。

壁の四角いフレームには、店舗用の棚（通称ガチャ棚）が設置できる穴があいています。そこに先ほどのフレーム型の什器を設置することができるつくり。使い方やシーズンに合わせて高さや位置など、いろいろな配置でアレンジできるように考えられた什器です。

奥にはゆったりとしたフィッティングルームがつくられていて、アパレル店舗としては申し分ない構成となっています。

フィッティングとショップスペースの間には、扉で隠された階段室があり、2階3階へとフロアが続きます。上のフロアは事務所スペースとしてつくられ、壁紙、タイルカーペットで構成されたシンプルな内装。3階は天井高があり、天窓がついているので、明るく開放的です。

ちなみにこの場所、元は3階建住宅。台湾人のデザイナーさんが新しいファッションブランドのために、オフィス兼ショールームに転用するプロジェクトとしいて、ビルを買うところからつくり始めた物件。設計事務所「NOIZ」がリノベーションを行い、いよいよオープンとなるところだったのですが、コロナで状況が世の中が変わり、、、オープンは見送りに。長らく計画をストップしていましたが、この度賃貸募集の運びとなりました。

改装されてから実際に使われることがなかったので、建物1階から3階まで綺麗な状態です。使い方や販売する商品にピッタリはまれば、あまり手を掛けなくてもいい感じに仕上がっているのは嬉しいところです。

また、階段を中心に2つに振り分けられた形が、小分けに空間を使いたい人にとっていい間取り。仲間内でシェアでの利用もOKで、店舗スペースを共用で使いながら、2・3階の各自専有スペースを持つなんて使い方もありです。

ただエリアとしては第二種低層住居専用地域。2階までを店舗として利用することはできるのですが、3階部分は住居での利用に限るような行政の制限があります。（そちらはお問い合わせ時に詳しくご説明できたらと思います）

オーナーさんや設計士さんがたくさん考え、大切につくられたこの空間が、準備万端の状態で借りれちゃうのは、なんとも嬉しい話なのでは？
この内装や間取りがいかされるように形での利用がバチっとハマるひとがいたら、ぜひ。