まちとつながる三つの「間」

質良く、やわらかい色合いのデザインでまとめられた、心地よい時間と、人のつながりを大切にするデザイナーズマンション。

このマンションの設計を手掛けたのは「空間研究所」。和の空間デザイン、というポイント以外にも、高効率機器を採用して実現した、高断熱・高気密な住まいは、省エネや環境への配慮を意識し、心地よく暮らすうえで大事なところも、ちゃんと押さえています。

とことん落ち着ける「和」を意識したそれぞれの空間は、外の間・中の間・内の間を設け、くらし方にあわせて使い分けられる間取りも魅力。

外の間（バルコニー）はゆったりしたサイズを確保し、室内から、外へ目線を向けると感じられる天井の木の温もりを経て、遠くまで抜けた眺望を楽しめます。晴れた日に洗濯物を干して、夕焼けのきれいな日には、空を眺めて。周りに迷惑がかからないよう配慮は必要ですが、自由に使い倒しましょう。

そして、くらしの中心となる中の間（リビングダイニング）と、内の間（個室）。あえて広い空間のままにした中の間は、自由度のあるつくり。建具を動かしたり、家具などで区切ったり。プライバシー性の高い寝室や、オープンな書斎として想定された内の間とあわせて、好みの形に分割してみてもいいかもしれません。

中の間は、左官仕上げの壁、天井に、着色したフローリングでクールな印象ですが、木の建具がいいアクセントになっています。一方、内の間は白い壁紙と、無着色のフローリングで無駄のないシンプルなデザインです。

高円寺駅北口から歩いて8分。どこか懐かしい雰囲気を感じる商店街を抜けた、早稲田通り沿いに立つマンションの建設地は、かつて「東京電力」の社宅があった場所。地下変電所上部の、メンテナンスに必要な空間を、地域の方との交流の場として使えるピロティ広場として有効活用。

また、マンション1階と2階には「アンテナ」という店舗を併設。間借りが可能な、カフェやキッチン、ポップアップショップなどのレンタルスペース、コワーキングスペースを運営しているので、活気と個性があふれる街、高円寺で、あらたなことにチャレンジしやすい環境でもあります。

地域のつながりをもてる場としても、これから一緒に年を重ねるのが楽しみなデザイナーズ。自分を表現・発信する場としても、あたらしい可能性が見えてきそうです。

※写真は前回募集時のもの