もはや趣味だと思うのです。普通はしないであろう作り方や細部のこだわりが、賃貸物件を作るレベルではないんです。
以前の入居者さんが退去され、部分的に改装を行う必要があったこの部屋。オーナーさん自ら改装を行ったとのことで、見に行ってみますと、既存の内装を生かしたいい雰囲気の部屋に変わっていました。
「これは…ちょっと普通と違うな…」と思ったのは、オーナーさんから改装について説明を聞き始めて少し経ったところ。
「作り方が普通と違う…」「こんな作り方はしない…」「え!?」というのがどんどん出てきます。
わかりやすいのは、コンセントプレート。壊れたら普通は交換するのですが、そうはせず。なんと形状をスキャンして3Dプリンタで作ってるんです!しかも、スケルトン仕様で(笑)。
他にも、引戸を開けようとしたら開かなかったのでオーナーさんに聞くと「この扉、引戸のまま開戸にしたんです」とのこと。確かに、引戸の把手の上に開戸の把手がついてます(笑)。
床も「いい感じの足場板ですね!」と僕が言うと「違うんです…この床材、隣の部屋の解体で出てきた下地をきれいに貼ってもらったんです」と。
こういうのがまだ他にもあって(笑)。
どんだけアイデアと時間をこの部屋につぎ込んでいるんだ…
と思いつつも説明を聞きながら部屋を見るのがどんどん楽しくなってきます。こだわりを挙げるとキリがないので、詳細はご内見の際にぜひ確かめてみてください。
場所は、豊島区雑司ヶ谷。雑司ヶ谷駅すぐ近くで、隣にはプールや図書館の分室、陶芸の窯もある「千登世橋教育文化センター」があります。マンションは交通量の多い道に面していますが、バルコニーはその反対を向いているので、車の音は気にならないかと思います。しかも、この部屋はマンションの最上階且つ角部屋なので、他の部屋からの生活音が気になりません。
マンションの最上階にあるということで、眺望が抜けています。目の前に雑司ヶ谷霊園や護国寺、その隣にサンシャインなどが見え、昼も夜も見応えがある眺望ではないでしょうか。
嬉しいことに、バルコニーにはウッドデッキを敷き、エアコン室外機の上にテーブルを作り、照明も設置されています。椅子を出して読書をしたり、夜はビールを飲みながら涼んだり、人目を気にせず楽しんでくださいと言わんばかりの仕様です。
部屋は約44平米。間取りは2LDK、でしょうか。面積的には広々ひとり暮らしか、荷物が少なめなふたり暮らしにちょうど良さそうです。
木材とステンレスで造作したキッチンは、対面式で使いやすそう。リビングダイニングは約6畳ですが、オープンなキッチンと眺望が抜けているおかげで面積以上に広く感じます。
使い方や家具の配置的に、大きなダイニングテーブルを置こうとするならば、リビングダイニングはダイニング、隣の個室1をリビングに使うといいかもしれません。
玄関脇の個室2は、場所的に寝室に良さそう。収納は個室1と2にそれぞれにありますが、荷物が多い方は納戸をクローゼットにするのが良いですね。納戸には机板があるので、仕事スペースや書斎に使ってもいいと思います。
水回りは玄関の脇にコンパクトにまとまっているのですが、今回の工事で手を加えています。個人的には浴室のFRP防水が推しポイントです。
子どもの頃、夏休みにプラモデルを時間をかけてこだわって作ったことはありませんでしょうか?
部屋の随所に散りばめられたこだわりから、個人的にはその感覚で家の改装をしたのだろうなと思いました。写真ではなかなか伝わりにくい細部を、ぜひご内見で確かめてみてください。