広尾で山小屋暮らし

広尾の真ん中、瀟洒な低層住宅に囲まれた高級住宅街に、古き良き趣を残した木造タウンハウスを見つけました。

オーナーの親族である建築家が設計したからか、通常の賃貸物件にはあまり見られない試みが所々に施されています。

まず、スキップフロアにすることで細長い空間に開放感を持たせています。吹き抜け部分は天井が最大約5mと抜けがあり、在宅時間が長くても窮屈に感じることはなさそうです。

2階のキッチン脇には腰掛け付きのバルコニーが。緑の借景を楽しめ、暮らしを豊かにするお気に入りスポットになりそうです。秋には紅葉もきれいだとか。取材時は鳥のさえずりが聞こえ、都心とは思えないほどまったりした雰囲気でした。

外壁や照明にも装飾的なデザインが散りばめられ、住めば住むほど愛着が湧きそう。物価の高騰で手の込んだ建築が減少傾向にある昨今、古き良き時代だからこそ建てることのできた物件なのだと思います。

収納は各階それぞれに用意されていて、階段下などわずかな隙間も上手に活用されています。荷物の多い方でもけっこう収納できちゃうかと。

ひとりなら悠々自適に暮らせそうですが、ふたり以上の場合はお互いをさらけ出す必要がありますのでご注意を。

まず、1階の個室以外は扉のないひとつながりな空間になっているため、相手の存在を常に意識する生活になります。また、2箇所あるトイレのうち2階のものは扉の上下に空洞があるためプライバシーが守りきれません。けっきょく1階のトイレしか使わなくなるだろうと思います。

立地と広さに対して手の届きやすい賃料だとは思いますが、使いこなせる人の限られる間取りです。洗濯機置き場がバルコニーだったり、大家さんが斜向かいに住んでいるのも人を選ぶ要素かと。細かい不便さがストレスにならない、開放感重視な方におすすめです。


バルコニーに腰掛けてコーヒーを飲みながら好きな本を読んだり、木の葉が揺れる音と鳥の鳴き声に耳を傾けてみたり。小さな幸せを見出す暮らしを、ぜひこの部屋で。

敷金要相談にはなりますが、事務所としての利用も可能です。