時の変遷を物語る、凛々しくて柔らかなコンクリート美
■価格が下がりました■
安藤忠雄氏によって設計された初期住宅「帝塚山の家」(1977年竣工)
場所は大阪。全国的にも初期に住宅開発された帝塚山周辺は、大阪の代表的な邸宅が並ぶ、高級住宅街として知られている街。
余裕のある敷地に対して低層な住宅と樹々が植えられた個人邸が多く、広がった空と緑感じる街並みが魅力です。
そんな街にひっそりと佇む「帝塚山の家」。
傾斜のある敷地に対して、幾何学的なフレームと壁で構成された不思議な空間が広がっています。
建物を訪れた時に「建築の原点は住宅にある」と語る、決して妥協のない安藤忠雄氏の想像力と意志がまさに内包されている空間だなぁと感じました。
「4+1のグリット」で構成されている1階の室内。ダイニングとリビングを隔てる対角に配置された壁が印象的で、差し込む光と風が幻想的な空間を生み出してくれます。
洗練された空間ですが階段からは1階と中庭を眺めることができ、しっくりと落ち着く風景に居心地の良さを感じます。
そして面白いのは、極限までに絞られた廊下の暗さと光が降り注ぐ気持ちのいい居室とのギャップ。
陰と陽の光の関係性に気がついた時には納得感と同時に「これが安藤忠雄の初期住宅かと」気持ちが昂ります。
ここでお伝えしておきたいネガティブなことが1点。過去に外壁や屋上防水のメンテナンスをされてきましたが、複数箇所の雨漏れが発見されており、修繕のタイミングが到来しているということ。箇所は1階寝室、キッチン、2階寝室(3部屋)と廊下となり、5、6年ほど前から大雨の時にポタポタとしてしまうようですが、程度はバケツで受け取られるくらいとのことです。
巷では時々、建物の老朽化などで近代建築の解体危機について話題になりますが、たとえ雨漏りがあろうとも21世紀を駆け抜ける安藤忠雄氏の建築物は後世に継承すべき住宅だと思っています。
ある程度、修繕の覚悟は必要ですがリノベーションという手法を使って是非とも新たな光と空気を巡らせて欲しいです。
日本を代表する建築家の貴重な初期住宅を受け継ぎ、丁寧に住み継いでくださる方をお待ちしています。
---
✳︎設計:安藤忠雄建築研究所
✳︎撮影:増田 好郎
✳︎売主居住中のため、見学目的の内覧はご遠慮ください。
✳︎インテリアは撤去されます。
✳︎売主の契約不適合責任免責
✳︎設備修補請求無し
✳︎記載の建物面積は登記簿面積
✳︎増築未登記あり(14.44㎡・リビング部分)
お気に入り
- 価格
- 1億9,800万円
- 建物面積
- 145.58㎡
- 管理費
- なし
- 修繕積立金
- なし
- 所在地
- 大阪府大阪市阿倍野区
- 交通
- 南海高野線「帝塚山」駅 徒歩7分
- 建物構造
- 鉄筋コンクリート造 2階建て
- 所在階
- 1-2階
- 築年
- 1977年
- 土地権利
- 所有権
- 敷地面積
- 280.99㎡
- 都市計画
- 市街化区域
- 用途地域
- 第二種中高層住居専用地域
- 建蔽率/容積率
- 60%/200%
- その他費用
- 設備
- 備考
- ペット可/地目:宅地/施工会社:熊田工務店/現況:居住中/引渡時期:相談/接面道路:南側公道(幅員約4.10m・接面約11.07m)/室内に複数箇所雨漏れあり/庭付き/バイク置場あり/駐車場あり/住居兼事務所可/1階・路面/楽器演奏可
- 取引態様
- 該当せず
情報修正日時:2024年11月12日
情報更新予定日:2024年11月29日
※掲載の情報が現状と異なる場合には、現状を優先するものとします。
URLをコピー