妄想しよう
不動産市況が良くも悪くもある種の落ち着きを見せている今は、まさに新しいことを考えるいい時期だと思います。意外なチャンスも潜んでいますから、チャンスがいつ来ても対応できるようスタンバイしておかなければなりません。
とはいえ、あんまりマジメに考えすぎても楽しいモノはできないわけで、まずはいろいろ妄想を広げてみるのもよいのではないでしょうか。新しい事業は「妄想」と「状況分析」のかけ合わせから生まれてくるものです。
ところで最近僕は武蔵小山というところに引っ越したのですが、これがなかなか味わい深い町です。たとえば駅のすぐ裏、有名なパルム商店街の脇に広がる飲み屋エリア。場末のスナック街と思いきや、三田某店の一作さんお薦めのバーや、アフリカで料理大会を勝ち抜いて日本に単身乗り込んで店を開いた女性のチュニジア料理屋「イリッサ」などがこっそり佇んでいたりして、スケールは小さいながら人間的な空間がかなりの「集客力」を生んでいます。ここを歩いていると、大きい建物ばかりつくっていては日本は死ぬなと感じたりもします。
というわけで「変な土地、小さな土地」で妄想してみようと、R不動産のディレクターOpen Aの馬場と盛り上がってみることに。
たとえば…
土地情報を色々見ていると、ヘンな物件がけっこう出てきます。
これはだいぶ奥まってますね。周りは囲まれ窓はとりにくい。
ならば、ダンサーのための家に。
次。長い。細い。さすがに安いけれど、一体誰が買うのか・・
ここは、泳ぐことが好きでしょうがない人のために、屋上プールを。
なんと!3.8坪!犬小屋用? そりゃあ希少だろう!?
意外にできる、バーテンダーの家。小さな屋上がいい。
「家でバーやりたいんだよね」とか言ったことある人、結構いるのでは?
比較的フツーな土地でも…
スケボーフリークの家!WOW !
FREAKS
こんな物件をつくってR不動産に載せたら、かなり人気が出そうです。マニアな物件はマニアな志向と相性がいい。口コミで貸せる、売れる。そんな発想で"○○フリーク"な人のためのシリーズイメージ「FREAKS」を、実際につくってブランドにしてみたら、おもしろいかもしれません。
とはいえこの企画を事業として取り組もうということになると、まあ普通は、引くでしょう。実際、上の例では法規的に非現実的な部分もあります。このコラムでも以前から「不動産は長期資産。一発芸は危険です」と言ってきました。もちろん本当に収益性が高くなるかどうか、持続性があるかどうかは、場所次第、コスト次第、コンセプト次第。妄想とリアルはいつも同じとは限らないことは言うまでもありません。
それでも「これって妄想なの?リアルにやってもいいじゃない」というファンクな事業主さん、ぜひ一度お話しましょう。
* デザイン&パース by Open A 馬場正尊&大橋一隆