ともあれ不動産オーナーにとって、持つべきものは「集客力」です。
収益力とか競争力とか付加価値とか、難しい言葉はいろいろありますが、
要は「お客さま=入居者」の人気がある状態をつくること。
PRは重要ですが、まずは「モノの魅力」ということについてぐっと考えてみましょう。
「いい感じの物件」は、内見希望は入りますが(入居者が)なかなか決まりません。「いい物件」は、一発で決まります。
言い方を変えましょう。
「うまそうなラーメン屋」と「うまいラーメン屋」があるとします。まずどこに入りますか?
人はまず「うまそうなラーメン屋」に入ります。いきなり「うまいラーメン屋」に入るのは難しいのです。しかし、人が人に教えたくなるのは「うまいラーメン屋」ですよね。そして、何度も続けて行くのは「うまいラーメン屋」。「うまそう」なだけでは続かないのに、うまければお客さんは増えていくのです。
もう一つ。「よさそうな人」と「よい人」。最初にとっつきやすいのは?最後に長くつきあうのは?
「いい」と「いい感じ」は違います。買い物をするとき「いい感じだけどね、まあ買うかと言われると。。」みたいなことってありませんか?不動産物件では、場所、見た目、利便性、居心地、値段、…そうしたもの全体が相まってはじめて、人の「購買動機」は「完結」します。それが「いい物件」と考えるべきです。デザインというのは形と色だけの話ではありません。機能性、美しさ、経済性、エコロジー、そうしたものをバランスよくそして魅力的に一つの形にまとめることがデザインなのです。ただここで忘れてはいけないことがあります。「いい」と言いきらせるにはある種のバランスも必要なわけですが、それは単によくまとまっているということだけを意味しません。圧倒的な魅力が他のものを犠牲にさせても人に決断をさせてしまうことがあり、これも一つの「完結」の形なのです。
「いい感じ」であることに集中しすぎるあまり、
「いい物件」であるかどうかわからなくなることはありませんか?
「よさそうに見える物件」を「よさそうに見せる」ことに一生懸命になっていませんか!?
もちろんプロモーションを軽視してはいけません。伝え方は、価値を変える力があります。だからこそ、その方法についてもきちんと考えたいものです。例えば、うまいラーメン屋は人がプロモーションしてくれますし、それが一番説得力のある「伝え方」になることもあります。
よさそうな物件をつくるのか、よい物件を追求するのか。それが問題です。