「いざ手放すとなると、すごく寂しい気持ちになりますね。」というオーナーさんの一言が、この蓼科の家での暮らしの充実ぶりを、まさに表すものだなと思い、とても印象に残っています。
知り合いの建築家に設計を依頼し、建てたのがバブル期の頃。忙しい仕事の合間に時間を見つけては東京から車で蓼科に来て数日この家で過ごす、別荘として使われてきました。
ちょっと癖のあるキッチンでのんびり料理をしたり、友人を招いてバーベキューをし、遅くまでお酒を酌み交わしたり。茶室でお茶を立てて楽しんだり、ハンモックにゆられてみたり、犬と一緒に近くの池のほとりを散歩したり、近くの温泉で疲れを癒したり。
オーナーさんのおだやかで充実した暮らしの思い出が、この家には詰まっています。
近年はこの家に定住していたのですが、関西に移住することを決めたため、今回手放すことになりました。
この家は間取りで言うと1LDK+茶室で、面積は主屋65.78㎡と茶室13.98㎡を合計して79.76㎡となります。屋根の形状をした天井と暖炉が印象的な約14畳のリビング、癖のあるフランス製のコンロとオーブンがチャーミングなキッチン、ビンテージの家具が良く合うダイニング、ゆっくり眠れそうな寝室。それぞれに魅力があるお部屋は、シンプルで丁寧な内装のデザインでまとめられています。
また、ウッドデッキのテラスを挟み、離れになっている茶室も。炉が切ってあるので本格的にお茶を楽しめる仕様です。ちなみにオーナーさんは、茶室を書斎やゲストルームとしても使用しています。お茶を楽しむ場所はもちろん、それ以外でも使い勝手が良い場所とのことです。
このあたりの標高は約1,088mのため、気温は都心より約7度低く、真夏でもエアコンが不要で、窓から入ってくる風が気持ちいいとのこと(室内にはエアコンはついていません)。
一方で冬は寒いため、暖炉や石油ストーブなどを使用する必要があります。今は、リビングはペレットストーブ、キッチンダイニングは石油ストーブ、寝室はオイルヒーターを使って暖かく過ごしているそうです。
さて、そんな家は1993年築なので、これまで何度かメンテナンスの工事をしてきました。具体的には、「浴室の天井部分は白アリ被害があったのでトップライトを潰す工事」「湿気でダメになった暖炉裏の壁の補修」を行っています。
加えて、2年前にオーナーさんがこの家に定住するにあたって、洗面台やトイレの交換、キッチンを含む水回りの蛇口等交換、汚れが目立つ壁の塗り直し、和室の襖や畳の交換といった、快適に住めるようにと補修を行っています。
さらに今回の売却にあたってホームインスペクションを実施。既に工事をした箇所以外に外壁のメンテナンス(コーキングの打ち直しなど)が必要だというのがわかっています(その工事はだいたい税込200万円程かかる見込です)。
加えて、お部屋が空になるのであれば、床・壁の再塗装やフローリングのオイル塗布はやった方がいいでしょう。その他コンロの交換や好みと異なるところの工事などもあるでしょうから、改修費用は「400万円〜」とお考えいただくと良いと思います。ちなみに、工事についてはこれまでこの家のメンテナンスをしてきて、現状を理解している業者さんをご紹介できますのでご安心を。
この家があるのは茅野市豊平。管理別荘地内にあり、周りは別荘だけではなく定住されている方も多くなってきたとのことです。避暑や近隣にあるピラタス蓼科スノーリゾート、富士見パノラマリゾートといった冬のアクティビティを楽しむだけでは物足りなくなるのかもしれませんね。
定住しているオーナーさんはストレスなく快適に暮らせているとのこと。車で約10分圏内には地元の新鮮野菜などが売っている「たてしな自由農園 茅野店」などのスーパー、茅野市民だと入浴料が安くなる「尖石温泉 縄文の湯」も車で約5分の距離です。
また、このあたりは「パン屋天国」と言ってもいいくらい、バリエーションに富みクオリティの高いパン屋がたくさんあると、オーナーさんから教えていただきました。他にもオーナーさんおすすめのレストランやカフェ、お蕎麦屋さんなどがあるのですが、ここには書くと長くなるので詳細は現地で。
車でのアクセスは、諏訪南インターチェンジまで車で約20分、茅野駅までも約20分、都内までは3時間程の場所です。
電車は茅野駅から新宿までは特急で約2時間程。通勤と考えると距離がありますが、特急あずさは全席指定なので仕事をしながら移動できるのがポイント。電車内でメールや集中して進めたい仕事をすれば、意外と東京との行き来は現実的かと思います。
移住または定住で、蓼科の暮らしを始めてみるのはいかがでしょうか?
その際はぜひ、オーナーさんの思い出が詰まったこの家を上手く引継いで、さらにいい家にしていただけたら嬉しいです。