【価格変更しました】
建築家、小井田康和。
ついに、ご紹介できる日が来るとは。
私自身、小井田さんが創る作品に夢中になり、彼が掲載されている建築雑誌をすべて買い揃えるくらい、建築や不動産というものの美しさと魅力を教えてくれた方のように思います。
彼の作品を振り返ると、そのどれもが土地をよく読み、抑揚の効いた窓の配置とそこに棲む緑や景色があります。
今回の物件については、雑誌では見たことがあったのですが、実際に訪れてみると、紙上ではわからない木や和紙などの手や足に触れる素材のやさしさを感じました。
通り抜ける風や庭木にあそびに来る鳥のさえずりなど、23区内にいる事をつい忘れてしまうような静かな住環境に驚きです。
1階は主に玄関、個室、水まわりという構成。建築家の作品とは言え、数多くの住宅を手掛けてきて日々の生活を大切にしていた小井田さんですから、この物件にも納戸や収納が比較的たくさんあります。
1階に住宅としての必要な機能を効率的に配置してあるので、2階は、その分大きくダイニング、キッチンのスペースが取られています。中心には薪ストーブがあり、火のある暮らしができます。
ちなみに薪ストーブを利用する際、周辺が住宅街なので、火をつける時間などを配慮いただいた方が良いかもしれません。私もストーブのある家に暮らしていた際は、例えば冬の夕方から夜、または雨天時という、近隣が窓を開けていないであろう時間や天候を選んでいました。
また、2階は1階に比べて構造的に壁の量が少なくて済むからか、大きく開放的に窓が取られています。上を見上げれば勾配天井となっているので、みんなが集まってワイワイできる空間が縦にも横にも広がっていることが、床面積以上に広く感じる工夫なのかなと想像しました。
対照的にくつろぐ空間としてのリビングが、個人的に好きな空間でした(どこもかしこも、好きな空間だらけだったのですが)。天井はあえて低く、照明も明るすぎず、ソファに腰かけたらゆっくりとした時間を過ごすことができそうです。
そんなダイニングで談笑していると、ふと小井田さんが「家は20年経ってようやくいい家かどうかがわかる。」と言う内容を、ある雑誌で寄稿されていたことを思い出します。
ぐるりと家を見まわすと、確かに木材が経年により益々美しくなっていること、庭の緑が剪定を重ねて、家や敷地に馴染んで今の姿形となっていること、など。この気持ち良さは、新築後すぐには創り出すことは難しく、家を育てて来た結果なのだと思います。
つまり、建物を工事して終わりではなく、小井田さんの弟子のひとりである川島さんを中心に話し合いながら、20年育ててきました。
これまでにどの様なメンテナンス工事を行ったのか、その履歴があるので、次に引き継いでいただく方もきっと安心の材料になるのではないかと思います。
これまでに色々な不動産情報を見てきても、あまり小井田さんの作品を見たことが無かったのは、それだけ愛着を持って長く暮らしている方が多いという事なんだろうなと感じていました。
今のオーナーは、これからも大切に住み続ける予定でしたが、これからの暮らし方に変化があり、今回もしも大切に引継いでくださる方がいる様でしたら継承していただきたい。と、ご相談をいただきました。
約20年ほど前にこの場所を大きな公園が近いこともあり、ペットと暮らす環境として良さそうだと感じて、土地の購入に至ったそう。
元々ひとつの家族の為に丁寧に設計された物件の為、こだわって建てられている部分も多いので、パッと見ていい家だと思って下さる方は比較的多いのではないかと思います。
しかし、次に受け取っていただく方が、今後のさらに次の20年を一緒に育てていけるかどうか。馴染んで暮らしていくことが出来そうな物件なのか。という事をよくよく見定めてもらう必要があると思います。
その相性の確認の為、何度か現地にお越しいただく場合もあるかもしれません。引き継ぐというのは意外と大変。でも何度か現地にお越しいただく際に、変化する物件や周辺環境の表情の変化もまた、楽しみながら来てほしいと思います。
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