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2009.9.16

16|楽しくうまくいく不動産づくり10カ条

林 厚見(東京R不動産/SPEAC inc.)
 

僕らの周りでは最近、鎌倉や房総など郊外に引っ越す人が徐々に増えています。上の世代の田舎暮らし志向と並行して、若い人たちのこうした志向も進んでいるようです。
では今、東京の人口は増えているのか、ご存じでしょうか?答はYES。増えています。全体としては、東京集中が今も進んでいるんです。

世の中は作用と反作用が同時に動いていて、一方向には動いていません。ハイテクが進めばその逆がもてはやされたり、世の中がグローバルに向かう一方でローカルが熱かったり。不景気でも逆に元気なところが必ず出てきます。古い建物のリノベーションに興味を持つ人が増えるのも、そういう構造の中にあります。

ただ、日本全体の人口はご存じの通り、2005年からもう減り始めています。予測では、東京集中度が上がりながらも2015年には東京の人口も減少に転じると言われています。つまり、全体としては家は余ってくるでしょう。一般論としては日本で不動産という資産にお金を投じるのは、基本的に不安なわけです。

でもそこでみんなが止まってしまうべきかというと、そうではありません。仮に日本が全体として衰退しても、その中のある都市は繁栄するし、その都市の中には又、人が集まる街角と、誰も来ない街角があるわけです。表があれば裏を見る、裏が見ながら表を読む。総じてマイナスに見える状況を見ても、3割のプラスと7割のマイナスを見抜く。住宅がどこかで余っても、どこかで足りず、あるいは人気を博す住宅やオフィスがある。

そして、住み手使い手の感覚の進化は"ゆっくりと"進んでいます。安さの追求もさらに進むでしょうが、その中で、モノの魅力を敏感に感じ取る人は、増えています。僕らの想像を超えるヘンなことを考える人も、次から次へと出てきます。まだまだ不動産づくりのおもしろさはこれからが本番です。

不動産オーナーにとって、物件のおもしろさ・個性はプラスなのか?とよく言われます。僕は、YESと言ってきたつもりです。ただ、瞬間風速ではマズいし、使う人に対するリアルな「思い」がないとマズいのだと。今でも魅力を放っている物件は、よく考えられているし、心がこもっています。しっかりした事業計画と「魂」がある物件が、オーナーを、世の中を、幸せにします。


「東京R不動産ビジネスレビュー」は今回にて一区切りとなります。
お読みいただいた方、ありがとうございました。
最後に、ここまでの話を、楽しくうまくいく不動産づくりの10カ条でまとめておきたいと思います。

1.得意技で攻めよう
 ~自分が人より得意な、人より知っている、人よりイメージできる、場所・ニーズ・情報。

2."いい感じ"にご注意
 ~キャッチーな物件と、決まる物件は別モノ。決まるものをつくって、キャッチーに見せよう。

4.不動産屋の話は先に聞く
 ~夢のない話でも重大な真実はある。押えるとこ押さえた上で、逆転を狙う。

3.半歩先と、普遍性
 ~チャレンジせども、基本は外さず。

5.おしゃれより、気持ちいい
 ~おしゃれは時代に流される。気持ちいいは普遍である。

6.まずは、高感度・少投資
 ~大抵の中古物件は、プチリノベがよい。小さい投資で変身するポイントを絞ること。

7.ひとつならトコトンやる。
 ~部屋がたくさんあるなら、一つくらいは思い切っておもしろいことしましょう。(たくさんやると苦労します)

8.ストーリーをイメージする
 ~誰に"刺さる"のか、その人がそれをどう知り、彼はそれを他とどう比較して選ぶのか。

9.20年先をイメージする
 ~音楽や映画は記憶に残る。不動産は現実にそこに残り続ける。

10.幸せな不動産
 ~不動産は大事な資産。慎重に。
   でも、経済比較よりつくりたいようにつくることが、オーナーの幸せということも、ある。

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このブログについて

世の中にもっと魅力的な物件を増やしたい。不動産を持つ人・つくる人が、住む人・使う人と一緒に幸せになるにはどうしたらいいだろう?そんなことを考えつつ、感性とアイディアにあふれるお客さまたちから日々ヒントを得ながら不動産事業や投資・経済のことを考えてみる。

「東京R不動産」を共同運営する不動産企画会社SPEACのメンバーがおくる、心あるオーナーさんのための、ビジネス目線のコラムシリーズ。

著者紹介

林 厚見(東京R不動産/SPEAC inc.)

PC版 copyright(c)東京R不動産